コロナ禍を生き残るご近所さんたちの頑張り

 コロナ禍が世界を席巻してもう10ヶ月、いやもうあっという間に1年経過しますね。経済か健康か、のジレンマにどこの国の指導者たちも頭を抱えています。日本は今、第三波と言われていますが、インドネシアは第一波が続いていて「安定している」と自虐的な言い方をすることもあります。

 今年の目標はとにかく一人一人が経済と健康の両側面から「生き残ること」だと思います。インドネシアの場合、手厚い保護はあまりありませんが、生き残るためのガッツやクリエイティビティ、チャンスはある方だと思っています。そこで今回はご近所さんの頑張りを紹介します。

 まずはうちのお向かいさん。お父さん(厳密にはお孫さんがいるのでおじいさんなのですが)がちょうど学校の用務員さんを退職したタイミングでコロナ時代に突入。収入が激減しました。娘3人と長女夫婦など、結構な大家族で住んでいるので、落ち着いたころに家の軒下を利用・改造して鶏ソバ(mie ayam)屋をはじめ、長女さんは同じく軒下でいろいろなものを売り出しました。


 売っているのはショウガドリンクの粉末、スープの素、チアシードなど。チアシードを売るとはなかなかの目の付け所。ショウガドリンクは一回分で1000ルピア。今の季節(雨季)は昼過ぎから雨になって夜にならないと止まない(そのまま朝まで雨ということも)ので、こういう温まるドリンクは重宝するのです。早速、お友達の分も調達しました。チアシードはご飯に混ぜて炊いているので大きいサイズのを購入。こうして町内でお金が回っていきます。鳥ソバは私が料理するのが面倒なときにお世話になっております。
次に、スマトラ出身の学生さんのケース。WA(ワッツアップ、コミュニケーションアプリ)で「火曜日にお弁当を売ります。一人前18000ルピアです」という説明と共に、写真が送付されてきました。お、これは私が好きなハイナン・チキンライス(海南鶏飯)ではないですか。早速ランチ用に3人前を注文。バイクで届けに来てくれました。
 ちょっと寄ってしまっているのですが、ご丁寧に鶏ガラスープ付き。味も量もピッタリで、「次はいつ?」と聞いてしまいました。話によると、実家を離れてジョグジャの大学で学んでいる学生さんたちが計画したもので、フードロスがでないようにするために完全予約制で注文を受け、当日配布し、売り上げをみんなでシェアする仕組みになっているそうです。買い出しの人、料理する人(調理師学校の生徒さんが中心)、配達する人など役割分担をしたそうです。日本だと食品衛生法などで規制がかかりそうな活動もインドネシアでは可能です。「私、コロナ禍になってから親も大変で仕送りしてもらってないの。だから何とかあれこれやって頑張ってる」と言っていました。素直に感動し、応援したいと思いました。ところで次のメニューは何?(笑)

 次は斜め向かいの家族のケース。拙宅近くに用水路があり、そこに最近果物屋さんを出店しました。お父さんはオンラインのバイクタクシー運転手もやっていますが、なかなか収入が安定しません。そこで運転手もやりつつ、空いた時間で家族交代で果物屋をやり始めました。今日は娘さんが店番でした。最初は果物も2種類ぐらいでしたが、少し余裕が出てきたのかリンゴやミカン(輸入品)も扱い始めました。

マンゴーの季節が終わりの方なので、これからはランブータンの季節。ドラゴンフルーツ(赤)も旬で、1キロ100円以下とお得なお値段。場所は見通しのいいところなので目に付くし、バイクでふらりと寄れる感じになっており、個人的には頑張れるのではないかと思っています。うちもバナナとドラゴンフルーツは毎回買っております。そしてまたもやお金を町内で回しております(笑)。

 町内会にはWA連絡網があり、ちょうど回覧板のような役割をしています。そこには町内会の人であれば「XX番地のXXです。バティックの洋服を扱っているのでどうぞご利用ください」「私は大工なので、何か大工仕事があったら教えてください」のような宣伝ができます。興味がある人は直接連絡を取り合っていきます。相互扶助(ゴトン・ロヨン gotong royong)精神あふれる町内。いい文化なのでこれはコロナ後も大事にしたいと思います。




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